この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
もともと部長職にあったが,病気で休職した。復職に向けて会社と協議したところ,復職に向けたトレーニングと称して外回りの営業を言い渡され,しかも復職後もヒラの営業職としての地位しか用意しておらず,これらに応じない場合は休職期間満了による退職扱いにすると言われた。50代の依頼者が20代の営業マンと同じ外回りをすることは現実的ではなく,依頼者としては,復職トレーニングにかこつけた解雇であると感じている。
解決への流れ
実質的な降格・解雇処分であることから,部長級としての職位にあることの確認を求めて労働審判を申し立て。会社の処分の不当性が認められた一方で,依頼者としてももはやこのような会社に戻る意思が無かったことから,相当額の金銭補償を受けて退職する調停を成立させた。
不当な復職トレーニングを拒絶することには,就業規則上の休業期間満了による自動退職規定が適用されるリスクがあったが,会社に対する異議の通知や労働審判申立を迅速に行ったことによって,このトレーニング拒絶が正当なものと認められたものと思います。また,職務・業務内容の違いを,勤務先の社内制度に即して丁寧に立証したことが,審判での有利な解決に結びついたと感じています。