犯罪・刑事事件の解決事例
#遺産分割

2億円超の遺産分割で、遺産取得の希望をほぼ実現し早期解決も図ることができた事案

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向井 飛翔 弁護士が解決
所属事務所熊本共同法律事務所
所在地熊本県 熊本市中央区

この事例の依頼主

男性

相談前の状況

ご相談者様は、2億円超の遺産を残して死亡した父親の遺産分割で母親や他の兄弟たちと揉めているということで、ご相談にいらっしゃいました。ご事情をお伺いしたところ、相続人間の感情的な対立が激しく裁判外での話合いが難しいと見込まれたため、遺産分割調停を申し立てることにしました。もっとも、遺産には賃貸物件も含めて多数の不動産があり取得希望が重複する可能性が考えられ、また、相続人に対する生前の援助もかなり存在するようであったため、法的にきちんと整理していくのであれば、遺産分割の完了まで数年を要してもおかしくない状況でした。

解決への流れ

遺産分割調停では、当初の予想通り、賃貸物件を含めた不動産の取得希望をどのように調整するのか、また、生前の援助をどこまで特別受益と見て考慮するのか、といった点で深刻な対立が生じました。特に、ご相談者様には賃貸物件を取得して安定的な収入を得たいという希望がありましたが、母親もそのような希望を有していたため、調整が難航することも覚悟していました。もっとも、母親のほうが、相続税の申告期限までに遺産分割が完了しなければ相続税の配偶者控除を受けることができない点を気にし始め、早期の解決を望むようになりました。そこで、この点を交渉材料として説得を進め、最終的に、ご相談者様が法定相続分の範囲内で取得を希望していた遺産のほぼ全てを取得する形で、相続税の申告期限内に遺産分割協議を成立させることができました。

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向井 飛翔 弁護士からのコメント

本件は、相続人間の感情的な対立が大きく話合いが難航する可能性が高かったにもかかわらず、不動産だけでも50近くあり、生前の援助も多数存在していたため、解決までに数年を要してもおかしくないかなり複雑な事案だったと思います。実際、当初は、主に賃貸物件の取得希望の調整に難航し、生前の援助に関してはそもそも援助があったのかだけでなく援助があったとしてその金額をどのように評価するかについても深刻な対立がありました。ですが、相手方である母親は、相続税の申告期限までに遺産分割が完了できなければ、(遺産分割完了後に還付されるものではありますが)一時的に2000万円近くの税負担が生じることとなるため、多少不満が残るとしても遺産分割を早期に完了させることが最優先のようでした。このような母親の意向があったことから、ご相談者様の希望を早期に実現させることができました。仮に相続税の申告期限までに遺産分割が完了できなければ、遺産分割に多大な時間を要する結果になっていた可能性が高く、母親だけでなくご相談者様にとっても非常に好ましい結果が実現できたのではないかと思います。