この事例の依頼主
男性
相談前の状況
労働者Aさんは、適切な足場がない危険な状況で屋根上での高所作業を指示され、約5メートルの高さから地面に墜落し、全身打撲と複数の骨折を負いました。その結果、Aさんは肩と腰の運動障害や疼痛が残りました。
解決への流れ
○労災保険への異議申し立てAさんは労災保険に申請し、後遺障害の等級が11級と認定されましたが、弁護士との相談や調査により、もっと高い等級が認定される可能性が高いことがわかりました。主治医と相談し、検査をやり直した結果、後遺障害等級が7級に変更され、Aさんは前払一時金等で約1,000万円の適正な労災保険金を受け取ることができました。○元請事業者への損害賠償請求Aさんは後遺障害等級が確定した後、元請事業者に対して適正な慰謝料等の支払いを求め、損害賠償を請求しました。協議が決裂し、裁判となりましたが、元請事業者が安全配慮義務を怠っていたことが認められ、約1,000万円を支払うことで和解が成立しました。
(1) 労災保険の手続きに弁護士が関与することが重要です。適切な後遺障害等級が認定されないと受給額に大きな違いが生じるため、弁護士が手続きを慎重に進め、適切な認定がされていなければ修正を求めるべきであり、今回は修正が認められた事例です。(2) 元請事業者や雇用主に損害賠償を求めるべき場合もあります。労災保険はすべての損害をカバーしないため、事故の原因が元請業者側等にある場合には、損害賠償請求をすることで、全面的な損害賠償を受けることができます。ただし、専門性の高い領域であり、経験のある弁護士に相談することをお薦めします。