この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
昔から妹と折り合いが悪かったのですが、高齢の母のもとを頻繁に訪れて私の悪口などを言っているようです。母もそれほど先が長くないかと思います。いざ相続が開始した時に不利益を受けないように準備をしておきたいです。
解決への流れ
弁護士の先生と相談して、まずは急いで公正証書による遺言を作成しておきました。その後しばらくして母が認知症になったので、成年後見の手続きも行い、妹からの不当な介入を予め防ぐことができました。いざ母が亡くなった後になって、これらの手続きを事前に済ませておいて本当に良かったと実感しました。
両親が亡くなって相続が開始した後になって弁護士に相談される方が多いですが、事前に防御のための手段を取っていれば・・・と後悔されるケースも散見されます。相続開始後のトラブルを防ぐためには、自筆の遺言ではなく、公証役場における公正証書遺言を作成することが非常に有効です。いたずらにトラブルを拡大しないように、他の兄弟の遺留分などにも配慮して、法律上適切な遺言作成をサポートしました。また、認知症の両親が財産を吸い取られるようなケースもよくあるので、成年後見制度などを活用して、事前に防御策を講じておくことが重要です。特に不動産などの資産については、相続時に所有権の争いや金額の争い等が生じることも多いので、事前に争点を的確に予測して準備しておくべきです。本件では、弁護士が事前に対策を練っておいたことにより、いざ相続が開始した際に不利益を受けることがなく、有利な解決を得ることができました。できれば、被相続人が元気なうちに弁護士にご相談して準備しておくことを強くおすすめいたします。