この事例の依頼主
40代 男性
被害者は、運転していた自動車を自宅の車庫に入れようとしていました。この時、自宅前の道路を進行してた自動車に衝突され、被害者は、頚髄を損傷し、四肢麻痺などの重篤な障害を残し、寝たきりの状態となりました。当初、被害者は、他の弁護士に対応を依頼していました。そして、別表第一第1級1号の後遺障害等級を認定された後、訴訟を提起しました。ところが、地裁は、被害者に70%の過失があると認定し、請求棄却の判決を言い渡しました。つまり、既に支払を受けていた自賠責保険金など以外に、賠償金の支払を受けられないことになったのです。被害者とその家族にとって、地裁の判決は受け入れ難いものでした。地裁の判決の後、被害者は、依頼していた弁護士との委任関係を解消しました。そして、ツテをたどって「だいち法律事務所」に連絡を取り、控訴審の対応をご依頼いただきました。
被害者からご依頼をいただいた後、すぐに控訴の手続をとりました。そして、地裁で提出された主張・証拠、判決の内容を検討したところ、地裁で請求棄却の判決を受けた原因は、① 各損害項目における主張・立証が不十分であったこと② 過失割合について積極的な立証を欠いていたことにあると判断しました。そこで、損害額を裏付ける資料を新たに収集し、損害額の計算を全面的にやり直しました。そして、地裁における請求内容を見直し、請求金額を大幅に増額しました。また、事故現場に行き、現場の状況を調査・記録するとともに、工学鑑定の専門家に意見書の作成を依頼して、過失割合に関する主張・立証を大幅に補強しました。このような対応の結果、高裁は、個々の損害項目の認定額を増額するとともに、過失割合に関する地裁の判断を逆転する判断を示しました。このため、地裁は請求棄却という判断をしましたが、高裁では既払金を除いて1億円の支払いを受けることができました。
本件は、控訴審(高裁)の段階になってからご依頼を頂きました。高裁では、計画的かつ迅速な審理が求められるので、短い期間で、資料の収集と検討、方針の決定、主張の作成などを行う必要がありました。しかも、地裁は、被害者に厳しい判断をしていました。地裁の判断を変更してもらうためには、高裁の裁判官に、地裁の判決が誤りだったと認識してもらう必要があります。高裁の裁判官に、地裁の判決を変更する必要があると判断してもうためには、強い説得力のある主張・立証が必要でした。結果として、大きく結論を変えてもらえたので、十分に効果的な主張・立証活動ができたのだと考えています。被害者とご家族は、地裁の判決を見て、生活への不安を強く感じていました。重度の後遺障害を負ったのに、請求棄却の判決が出てしまったので、当然のことだと思います。その後、高裁での審理の結果、地裁の判断が見直され、1億円の賠償金を受け取れました。被害者とご家族には非常に喜んでいただけました。地裁で納得できない判決を出されても、あきらめずに高裁で対応することの重要性を感じた事案でした。詳しくはこちらのページをご確認ください。https://daichi-lo.com/case/case-sekison1.html