この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
母親が亡くなり、相続人は自分と兄との2人で、母親の主な遺産は実家の土地建物でした。母親は遺言書を残していましたが、その内容は、遺産をすべて兄へ相続させるというものでした。兄はすぐに遺言書どおりに土地建物の名義を変更してしまい、遺言書を盾に、遺産をいっさいやらない、などと言われ、どうすることもできませんでした。
解決への流れ
受任し、兄が土地建物を勝手に処分してしないよう、仮処分の申立てをし、裁判所より処分禁止の仮処分を出してもらいました。そのうえで交渉に移ったものの、話はまとまらず、最終的には遺留分減殺請求の訴訟を提起。訴訟の中で、兄への生前贈与について特別受益の主張をし、最終的に、特別受益を考慮した内容で、遺留分相当額を支払ってもらうことで解決しました。
遺言書の内容は、遺産をすべて兄へ相続させる、というものでした。民法では、遺留分制度が定められており、今回のような遺言書が存在したとしても、遺産を取得した相続人に対して、遺留分減殺請求(一定割合の遺産を渡すよう求める)をすることができます。遺留分の請求の中で、特別受益を見逃さないことも重要です。