犯罪・刑事事件の解決事例
#慰謝料 . #財産分与 . #不倫・浮気

同居期間のない夫婦間で、財産分与などの名目で700万円を取得して離婚した事例(妻側)

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宍戸 博幸 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人黒川法律事務所
所在地東京都 中央区

この事例の依頼主

女性

相談前の状況

婚姻期間が約2年、その間に夫が浮気をしてしまいましたが、仕事の影響で、夫婦として同居したことがないという妻からの相談で妻側の代理人に就任しました。夫のまとまった貯蓄は800万円程であり、毎月の給料は一般的な会社員と同じ金額でした。妻も数百万円の貯蓄がありました。

解決への流れ

まずは、妻側が所持している、夫の浮気に関する証拠を整理しました。そのうえで、私が夫本人と直接会い、妻がどれだけ傷ついたかを詳細に説明しました。夫は、インターネットで得た情報などから、この事案では、800万円も支払う必要がないと主張し、支払っても100万円が限度だと回答しました。なお、夫婦双方とも一定の財産があり、財産分与を考慮しても夫が支払うべき金額を800万円とすることはかなり難しい状況でした。その後、私は何度も夫本人と面会し、妻が日々辛い思いをしていたことなどを根気強く説明しました。何度も直接会って話をした結果、夫本人と私の間である種の信頼関係が構築され、最終的に夫が慰謝料と財産分与の名目で、夫の財産の大半である700万円を妻に支払うという条件で離婚が成立しました。

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宍戸 博幸 弁護士からのコメント

この事案では、夫の貯蓄のほぼ全額にあたる金額を請求するのは、客観的にみてたいへん困難でした。しかし、妻側の心情を粘り強く夫本人に伝えるとともに、なぜ夫が浮気をしてしまったのかという原因を探るなど、かなり深い部分まで話せる程度に交渉を重ねた結果、夫との間である程度の信頼関係を築くに至りました。もちろん、夫側に責任があるものの、夫側の心情にも一定の理解を示すことで、夫から私へのある種の信頼感が生まれ、妻側の要望がほぼ受け入れられる結果となりました。単に金銭を請求するだけではまとまらない事案でも、根気強く話し合いを続けることで双方が感情的・条件的に妥協できるポイントが見つかることがあります。そのポイントを見つけることが弁護士の仕事だと思います。