この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
ご相談者の夫は、精神的に不安定になると飲酒を重ねる傾向があり、精神安定剤も服用していました。ご相談者様と話をするときも酔っ払って話し合いにならず、何度も嘘をつかれており、ご相談者様は精神的にかなり疲弊してしまっていました。その上、ご相談者様に内緒で数百万円もの借金をしていたことが発覚したため、離婚を決意され、ご相談にいらしていただき、離婚等を請求することになりました。
解決への流れ
当初、ご相談者様はかなり精神的に疲弊してしまっていたため、「とにかく離婚したい。子ども達の親権さえ取れれば、ほかには何もいらない。」とおっしゃっており、早期の解決を望んでいました。しかし、相手方は「絶対に離婚したくない。それ以上のことは何も考えられない。」という状況でしたので、解決には相当程度の時間を要する見通しでした。そこで、ご相談者様と十分に方針を検討し、養育費や慰謝料等、こちらが請求できるものについてはきちんと請求して争っていくことを決意していただきました。調停では全く解決の余地がないと判断され、離婚訴訟に移行し、最終的には本人尋問まで行いましたが、最終的に離婚請求が認められ、親権・養育費を勝ち取ったほか、150万円の慰謝料を勝ち取ることができました。ご相談者様も予想以上の成果を得ることができ、大変満足していただけました。
精神的に疲弊してしまっているご相談者様の場合、できる限り早期の解決に固執してしまい、安易に請求を諦めてしまうケースが散見されます。しかし、事案の解決としても、戦略的に見ても安易に請求を諦めてしまうことは望ましくありません。無論、最終的にはご相談者様のご希望を尊重しておりますが、ご依頼をいただく弁護士の立場として、ご相談者様に寄り添うとともに、ご相談者様が後悔することのないよう十分にご説明を尽くすことの大切さを感じた事例でした。