この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
相続人の中に認知症で施設に入所されている方がいるため、遺産分割協議を行うことができないとしてご相談に来られました。
解決への流れ
この事例では、成年後見人が選任されていなかったため、まずは家庭裁判所に後見開始の審判を申し立て、成年後見人を選任してもらいました。成年後見人には相続人でもある別の兄弟の方が選任されましたので、選任後、遺産分割協議について特別代理人の選任を申し立て、その特別代理人となった弁護士と他の兄弟間で遺産分割協議を行いました。
遺産分割協議は相続人全員の同意がなければ成立させることはできません。そのため、相続人の中に認知症等で事理弁識能力の欠けた方がいる場合、そのままでは遺産分割協議を行うことはできません。そこで、この事例では、まず成年後見人の選任を申し立てました。成年後見人が選任されますと、その方が当該相続人の法定代理人として遺産分割協議に加わることが出来るからです。しかし、成年後見人に他の相続人が選任された場合、利害関係があるため、相続人であるご本人の立場と成年後見人としての立場、その両方の立場で遺産分割協議に加わることはできません。そのため、この事例では、さらに、遺産分割協議だけを代理する特別代理人を選任してもらい、その特別代理人と他の相続人で遺産分割協議を行いました。